ワークラボってどんなところ?
まずは、ワークラボの開設経緯や目的、予定している活動についてご紹介します。
ワークラボは、将来的に一般就労したい!という思いを持つ方のために支援を行いたいと考えて始めたものです。このように考えたのはいくつかの理由があります。
1つ目は、管理者が障害者職業センターで働いた経験からです。就職前の訓練を担当することが多く、約10年で200人以上の障害者の就職を支援しました。多くの障害者が働きたいと思っていること、実際に就職していくことを見ているので、せっかく身につけた就労支援のノウハウを生かして、改めて取り組みたいと思いました。
2つ目は、相談支援でかかわった方の中に、就職したいけれど困っているという人が何人もいたことです。特に、ゆくゆく就職したいが2年では自信がないから就労継続B型に行くという人が複数いました。ただ、私の感覚では、B型では安心して過ごせること、しっかり作業に取組んでより高い工賃を得られるようにすることが重視されているので、直接的な一般就労に向けた支援(自己理解、企業分析、面接練習など)は、就労移行事業所に移る必要があるにも関わらず、事業所を変えるのは不安が先立って本人が動けないということが気がかりでした。1か所で両方できたら安心できるだろうに、というのが一つの動機です。(利用者が増えたら、就労B型に就労移行を併設する予定です。)
3つ目は、企業経営者と話す中で、障害者雇用の悩みを聞いたことです。人を活かす経営をするにあたって、障害者雇用は重要であると認識しているものの、なかなか取り組みが進まないという方や、すでに雇用した人の対応に困っていて、新規での雇用を考えにくいという方などがいました。考えてみると、障害者に対する支援はだいぶ充実しているのに対して、企業に対する支援はそうではないところがあります。企業が安心して対応できるように情報発信することができれば、障害者雇用も進むのではないかと考えています。
このようなことから、ワークラボでは一般企業で就職したいと思う人に来てもらいたいと考えています。今すぐに就職したいという人もいると思いますし、時間をかけて自信をつけてから取り組みたいという人もいると思います。どちらもOKです。一緒に相談しながら、自分のタイミングで就職していきましょう。
B型の利用を考える場合、みなさん作業内容に加えて、送迎と工賃が気になるようです。
送迎については、原則としてありません。これは、一般企業で就職するときには、自力での通勤が求められるからです。ただ、不慣れなところに自力で行くのは不安だという人には、通勤練習と同じように、慣れるまで一緒に通う練習をしていきます。それと、体調不良の時などは、安心して帰れるようサポートします。
工賃は、徐々に上げていき、県で目標としている15,000円に近づけていく予定です。就職すれば、はるかに高い賃金が得られるので、それを目指してがんばってもらえればと考えています。
作業は、ひとまず点字を扱うモノづくりをしていきます。点字名刺や点字メッセージカード、点字メニューを販売します。点字や点訳を覚えられる人はチャレンジしてもらい、それが難しい場合でも、手順に沿って作業することでできるようになっています。他に、3Dプリンターを使って福祉グッズや雑貨を製造します。企画会議をして、設計し、試作していきます。コンピュータが得意な人には、3DCADも体験してもらいます。また、体を使う作業が得意な人には、草刈りや農作業、洗車などもありますし、データ入力や文書作成、簡易作業なども取り入れます。
作業もしてもらいますが、就職に向けた学習にもしっかり取り組みたいと思います。講座やグループディスカッション、SSTを通じて、コミュニケーションや職場での振る舞い方などを学びます。自己理解を深めて必要な配慮を整理し、企業分析をして、履歴書や職務経歴書の作成、面接練習をしていきます。
興味を持った方は、ぜひ一度見学に来てください。